ゲームが進みすぎると

[レッスルエンジェルス・サバイバー]

リプレイを書くのが面倒になるので、こちらがある程度ゲームに追いつくまでプレイを制限したらちっともゲームができねぇ! あうー。

 というわけで旗揚げ戦はEWAの選手の応援を受けて格闘技の聖地・後楽園プラザで開催。新人真田、伊達はいずれも一桁台の短時間で葬られたが日本人エース霧島さんだけは自ら操作し、古強者アリス・スミルノフからSTK(スペース・トルネード・霧島)で堂々のKO勝ち。8大会開催して霧島さんは5勝とエースの重責を過不足無く果たしたといっていいだろう。
 翌月、新人テストで斉藤彰子を加え、EWA遠征中の南さんを除くと4人となった。
 ここで時期尚早かとも思ったが(霧島さんは「まだ新人は視聴者の目に耐えるレベルではない」と反対していた)関東テレビとの放送契約を断行。多分深夜枠に30分番組が流れるようになったことだろう。
 確かに我々はプロ格闘技をはじめてまだ2ヶ月という新興団体だが、伊達は体力・技術ともに飛躍的な進歩を見せているし真田も体力をつけてきている。遠からず霧島さんの要求するレベルに達するであろうと思われた。
 7月、太平洋女子プロレスの抱えていた新人・近藤真琴を引き抜いた。キックボクシングの新進気鋭の選手だったがMMA(ミックスド・マーシャルアーツ)での強さを追求するためにプロレス入りしたらしいが、そういう野心があるならウチだろう。
 しかしこれが霧島さんの逆鱗に触れた。

霧島「なぜ私の許可も得ずに…」
KOSHINIKI社長「え、必要なんですか(汗)?」
霧島「現場の人員の話を現場責任者に通すのは当然です」
KOSHINIKI社長「勝手な役職作るなよ…」
霧島「それに、金を積めば裏切るような人間は、より多く積まれたらまた裏切ります」
KOSHINIKI社長「裏切るとか…(汗)。そんな大げさに考えなくても。単によりよい環境を選んだだけと考えましょうよ。実際先方の団体にも移籍金は払ってクリーンに話はついたんだよ」
霧島「…まとまった話を蒸し返すのは本意ではありません。この話はこのくらいにしましょうか」
KOSHINIKI社長「ほっ…(安堵)」

 それでも近藤のことが気になったらしく、霧島さんは練習中も近藤の様子をさりげなく見張っていたようだ。ある日私のところにやってきてこういった。

霧島「社長、私と専属コーチとしての契約を結んでください」
KOSHINIKI社長「え…だって、コーチは北河さんがいるし、第一、君も北河さんにコーチしてもらっているだろう」
霧島「そして、近藤を私に預けてくださいませんか」

 …近藤にどんな興味を持ったのかわからないけど、とにかくこうなると実質私以上の権力を持つ霧島さんには逆らえない。渋々承知する。そういえば銀○英雄伝説で「君主はナンバー2を置いてはならない」ってオーベ○シュタインだかが言ってたっけ。こういうことだったのか。

 7月。「ちょ、ちょっと、マジでオーバーワークですって!!」という悲鳴を残して真田が道場から脱走した。連日の激しいトレーニングとはるかな格上との連日の試合で疲労がピークに達したらしい。ああ努力と根性だけは誰にも負けない真田よ、どんな勝負にも負けない(負けを認めない)真田よ、お前が言うか。
 もとい、とにかく今の連戦連敗のマッチメイクは問題がある。これもひとえに霧島さんの趣味なのだが(「殴られずに立派に育った子供などどこにいる」が持論らしい)、新人も少しは自分の成長の成果を確認したいころだろう。もう少し跡に予定していたPREDATOR BLOOD 実験リーグを開催する。リーグ戦出場者は伊達、真田、斉藤、近藤の4人。それぞれ三戦したところで伊達、斉藤、近藤が同率一位(つーか真田を励ますために開いたのに一人だけ落ちぶれたorz)で決定戦の末優勝は伊達、準優勝は近藤だった。

 8月、霧島さんにファンクラブができた。本人も喜んでいたが、これがUWWFの支柱を揺るがす出来事の予兆であったことなど神ならぬ身では予見し得なかった…。

10月、霧島さんに映画出演の依頼が来た。正直、この時期興行成績が横ばいで、出演料の200APは非常にありがたかった。喉から手が出るほどほしかった。

霧島「しかし、練習が…」
KOSHINIKI社長「でも、即金で200APも入るんだよ、頼むよ霧島さん」
霧島「…ですが…ふぅ、わかりました…」

 頭を下げて懇願する社長を前にしてはさすがの霧島さんも無碍に断ることはできなかったのだろうか。しかしこのとき霧島さんには結末が見えていたに違いなかった。

 翌月、霧島さんは評価値を50も落っことして帰ってきた。

KOSHINIKI社長「きっきききき霧島さん(裏声)!?」
霧島「…だから…嫌だって言ったのに…(走去)」

 走り去る霧島さんの目じりに涙が光ったように見えたが幻かもしれなかった。
 冗談じゃない。いまのところ外国人に勝てる選手は霧島さんだけなのに。しかももともとそんなに高くない910が860、しかも得意カテゴリーのパワー攻がひとつ減衰って…。
 絶対不動のエース、EWAの選手を敵に回して7割以上の勝率を誇る霧島レイナの看板が大きく揺らぎ始めていた。

 画像は多分霧島さんが出演した映画。題名は多分「地獄の女囚自衛官 〜淫楽のPKO活動〜」